Club Noohl
プライベート・プレス──書物と紙片にまつわるエトセトラ
DATE: 2012/05/15(火)   CATEGORY: information
【速報!】ちひさな文藝キャバレー《半喪のパ・ド・ドゥ》
ミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》関連企画として急遽、ちひさな文藝キャバレー《半喪のパ・ド・ドゥ》の開催が決まりました。
お誘い合わせの上、是非お立ち寄り下さいませ。


ミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》
関連企画

★ちひさな文藝キャバレー《半喪のパ・ド・ドゥ》★

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日時:2012年6月1日(金)〜4日(月)

【通常開廊】16:00〜20:00 *お時間にご注意下さい
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》アンコール展示+新作写真作品2点追加予定
*『モーニング・フレグランス・ブック』の展示はありません
*ミストレス・ノールがこれまで書きためたバレエ鑑賞ノートも出品


【ちひさな文藝キャバレー《半喪のパ・ド・ドゥ》】
13:00開場/13:30〜15:30

ローデンバック『死都ブリュージュ』を皆で朗読しながら半喪の世界と談話を楽しむお茶席です
また、ミストレス・ノールが自作のバレエ台本『死都ブリュージュ、半喪のパ・ド・ドゥ』を朗読、「朗読とオブジェによるちひさなバレエ詩」をささやかに上演します
英国製アンティーク銀器や茶器がお茶席を慎ましく彩ります

[メニュー(予定)]鈴蘭水/紅茶(おかわり自由)/十字架と薔薇のケーキ(オトメチカ洋菓子店)+α
半喪の蔵書票(限定16部)つき

・6/1〜6/4の4日間、各回女性限定4名/完全予約制(先着順)
・料金:1,800円
・ご予約開始日:5月18日(金)
・ご予約方法:「お名前・ご希望日時(第一希望・第二希望)・人数・メールアドレス」をお書き添えの上、ミストレス・ノール noohl@tokyo.email.ne.jp までメール願います


皆様のお越しをお待ちしております♪
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DATE: 2012/05/12(土)   CATEGORY: 展覧会
半喪の奇跡
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展示風景/Act Two「黒、または罪のパ・ド・ドゥ」オブジェ群

★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》

2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ


本日もたくさんのお客様にお越し頂きました。

可憐なる二人の乙女とゆっくり談話を楽しんだ後、栗栖有稀さま古賀郁さまのふたたびのご来廊に感激、大好きな「マタイ受難曲」をBGMにしていたところ、「レオンハルトですね」と古賀さま……すごい御方です。
過日、ふたたびお見え下さった浅野信二さまもレオンハルトのマタイが一番お好きとのこと、敬愛する方々と好きなものが一緒であることを発見する歓喜に小躍り致しました。

黒衣の麗人、ご高名なるピアニスト・久保田恵子さまが続いてご来廊、静謐なる音色そのままの佇まい、半喪の空間がマリア様のご慈悲で淡く色づく不思議を感動を持って眺めておりました。

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オブジェ作品《白の女、または宿命》2012

そうして後、ひとりの紳士が静かにお出ましになりました。静寂のノーブレスに包まれた唯ならぬ佇まいにしばし緊張、ゆっくりご高覧になられたご様子を見計らって、ご挨拶致しました。

……唯ならぬ佇まいであるはずです。なんと、ローデンバック研究家の村松定史先生だったのでございます!

先生が翻訳されたローデンバック詩集『静寂』(森開社刊/1986)、『樹』(森開社刊/2009)をひとりさめざめと涙しながら読んだ記憶が甦りました。日本でのローデンバックの翻訳と受容を編んだファン垂涎の書物『日本におけるジョルジュ・ローデンバック』(芸林書房刊/1998)には先生のローデンバックへの深い愛情が満ち満ちています。

久保田恵子さまと村松先生を囲み、暮れゆく清々しき午後、ノーブレスに満ちたひとときを過ごさせて頂きました。ブリュージュという都市にたゆたうマリア様のみ恵みが、ここ初台五差路の小部屋にもしっとりと流れ込んだかのような奇跡のひととき……半喪のヴェールを揺らしていたのはみ恵みの風でした♪

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その後も途切れなくお客様がお越し下さり、感謝の気持ちをどれほど綴っても足りない程です。
皆様のお心尽くしにこころより御礼申しあげます。




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憧れ続けて幾星霜、麗しの人形作家森馨女史&アニキこと孤高のオブジェ作家菊地拓史様♪
(森さん家の猫・木目ちゃんも美麗!)



*英国クリケットな装いの江津匡士さまを激写し忘れて大変後悔の舞

→ザロフ様ブログ:バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜 八日目(急告あり)



明日も皆様のお越しをお待ちしております♪
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DATE: 2012/05/11(金)   CATEGORY: 展覧会
ミストレス・半喪子
ミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》、本日もたくさんのお客様にお越し頂きました。


★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》

2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ


はじめてお会いするお客様から筆名の由来を尋ねられることが多く、その都度、気取りが高じてウィットに転化するはずの筆名が、どうやらそうでもなかったらしい現実に直面し、赤面しております・・・

noohl(ノール)は、本業のブックデザイン業を営む事務所名holon(ホロン)のアナグラム、そして、作品制作を「個人」に収斂させることに違和感があった故(作品の理想は無名の印象)、Doctor WhoやMr.ビーンみたいに架空の人物ぽくしたく、あっちがDoctorやMr.ならこっちはMistressだ!てな具合に、なかなかの英国流ウィットの出来映えに満足、ひとり悦にいっていたのですが、、、(汗)



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素敵なお客様が見つけて下さった半喪の中の三日月


「もうこの世には存在しないバレリーナ、古い写真の中に在り続け忘れられた存在であったバレリーナが、こうして素敵な作品としてよみがえっていることを天国で知ったら、きっと喜ぶことでしょう」……お客様より

コラージュの手法で作品制作をする者にとって、これ以上の賛辞はありません。古い写真は「素材」「要素」ではありません。人やモノが息づいた証、かけがえのない記憶が眠り続けるうすき墓標。
見知らぬ生と死の燦めきを継承する慎ましき気概とともに、常に敬意を込めて、丁寧に、鋏を入れています。


繊細の極み、とも呼べる筆致で美を紡ぐ関西在住の画家永井健一様より光栄にも拙個展のご感想を頂きました。(永井健一様のブログより抜粋)

 見て良かったと思える展示を拝見できた時
 本当に疲れがフッと霧散、魂が熱を帯びていく感覚が染み渡っていき、
 自分の制作にまつわる全てを顧みて気持ちを新たにします。
 先日伺った展示でもその体験をいたしました。
 昨年、その御作を一目見て虜に成った、ミストレス・ノール様の個展です。



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半喪のヴェールと作品《影の行列》(部分)


清らかな描線と、その奥にくぐもる秘めやかなエロスで魅了し続ける画家安蘭様からも身に余るご感想を頂戴しました。(安蘭様のブログより抜粋)

 敬愛する作家・ミストレス・ノール様の個展を拝見しにZaroffへ。
 「バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜」
 扉を開け、一歩。
 薄墨色のヴェールの向こうには、美しくも切ない世界。

 ノールさまの美への想い、バレエへの想いが
 繊細なオブジェ作品となり、佇んでおりました。

 二次元と三次元の狭間のような半立体の不思議な作品たち。
 浮世と現世とを彷徨う魂の揺らぎのよう。

 作品だけでなく、ディスプレイ、空間演出、
 全てにノールさまの美のこだわりが行き届いていて
 その美意識の高さに毎回心が震え、感動致します。

 美とは尊く、清らかで、静粛で、
 創造とは美へ魂を捧げることであると、
 ノールさまの世界に触れる度に、身が引き締まる想いになります。




歓喜に打ち震えております♪ 心より御礼申しあげます。


日々審美眼の高いお客様に支えられ、心地よい緊張感と共に在廊しております。
本日も此処に書ききれない程の多彩なお客様に彩られ、励まされ、ミストレス・半喪子、半喪のひとり舞♪


「この空間に居たら、誰もが美女になれます」……黒衣の麗人様より頂いた感涙のお言葉


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展示風景/Act One「琥珀、または遺髪のパ・ド・ドゥ」のオブジェ群



いよいよ会期も残すところあと三日となりました。
ミストレス・半喪子、明日も元気に皆様のお越しをお待ちしております。
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DATE: 2012/05/10(木)   CATEGORY: 展覧会
半喪子の小部屋
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展示風景/プロローグ「白の女、または宿命」のオブジェ群



本日、ミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》の後半がスタートしました。

★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》

2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ


私がお客様をおもてなししている様子をザロフご当主の石井さまがご覧になる度、「徹子の部屋のようですね」と呟いていかれるので、「半喪子の小部屋」としてみました。


半喪子の小部屋へようこそ!





本日は遠方からご高名な銅版画家の林由紀子さまがお見えになり、実際に訪れたブリュージュの街や欧羅巴の墓地の美について、誰も居ない街の風景の美しさや欧羅巴文学の花々などについて、麗しきお話を♪

そしてもうひとりの林さま、セラフィム様のブログで作品を拝見して以来、お会いすることを夢見てきたコラージュ作家の林美奈子さま。お師匠さまとお出ましになり、お二人のやさしくチャーミングなお人柄に引き込まれ、お話は尽きませんでした。


そうして夕暮の諧調麗しく下りるころ、「青い月と赤い薔薇」の青月様とさち様がお揃いで半喪子の小部屋へ!
……王子様とお姫様たるお二人を前に、薹の立ったチビっ子半喪子、緊張しきりでした……(緊張しすぎて、記憶が曖昧です。。。さち様お手製のケーキも頂き、もはや失神寸前でした。。。)


皆様、とても丁寧にじっくりゆっくりご高覧下さり、本当に嬉しく、励まされる思いでした。


そしてそして、私がもっとも敬愛する芸術家である写真家・大串祥子さまがご来廊♪ 東京出張のお忙しい合間をぬって、かけつけて下さいました。半喪子が常に、美の矜恃のお手本として、永遠に崇拝し続ける御方です。

長年の友人であるこちらも美の職人・菫朗さまとも感激の再会、半喪いろのワンピースで白薔薇とともに現れた半喪子の娘・ちるこ様には「たいへん良くできました」のしるしを頂いて歓喜の舞、三編み可憐な画家・黒木こずゑ様とは不思議な符合に感激の舞、大人の魅力満載のリルガ様に誉めて頂いてご満悦の舞、材料関係で大変お世話になった香凜さまとは巻ロック話でウーリーロックの舞……と、幸せなひとときでございました。

皆様のおかげで半喪子の小部屋が淑女のサロンに大変身。
本当に楽しく、華やいだ、和気あいあいのひとときでございました。


ザロフの常連様もたくさんお立ち寄り下さり、思い思いにご堪能されたご様子、お越し下さいました皆々様に心より御礼申しあげます。



明日も半喪子の小部屋にて、皆様をお待ちしております!


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DATE: 2012/05/09(水)   CATEGORY: 展覧会
半喪の幕間
幕間の時間、それは、薄ら氷のようなあわやかな時間。


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第一幕の緞帳が下り、次の幕がはじまる前のわずかなひととき、劇場中がいったん小休止します。
緊張や高揚感に満ちていた劇場内に安堵のやさしい空気が流れ込み、次の高揚の時間まで、心地よいざわめきが漂います。

画廊定休日の今日、誰もいない小部屋にて、オブジェたちは束の間の幕間をしずかに過ごしていることでしょう。





お陰様でミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》も無事前半を終了いたしました。お越し下さいました皆々様に改めて心より御礼申しあげます。


★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》

2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ


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美しきお客様の後ろ姿
敬愛するロマンティックイラストレーター・茶谷怜花さま♪


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お人形のようなニナさまは
セラフィム様のテレーズワンピースに拙作のO・SA・GEブローチを♪


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可憐な怜花さまも激写
薔薇色のO・SA・GEブローチに感激♪



既に薹の立ったノールも人工O・SA・GE装着中でしたので、嬉しいO・SA・GE組でした!

過日、お越し下さったもっとも敬愛する芸術家のおひとり、画家の安蘭さまや、遠く関西からお出ましの可憐なる乙女・小紫さまも拙作のO・SA・GEブローチを身につけてきて下さり、皆様のさりげないお心遣いに感涙する次第です。(激写し忘れたことをモーレツに後悔中。。。)


乙女たちの胸元にしずかに寄り添うO・SA・GEよ、乙女たちの幸いを末永く見守りたまえ……





今回の展示では、オブジェ作品とともに、コラージュの手法を応用した写真作品も展示しております。光栄にもお客様にご好評を頂いておりますので、少しご紹介♪


古い写真やオリジナル画像の切り抜きをそれぞれ、前景・中景・後景として設置、その間に照明をあて、糸やリボン、薔薇のドライフラワーなどの素材や立体物も加え、撮影しています。(コンピュータでの画像合成は行っていません。)

薄い世界の中に不思議な奥行き感が現れる作品となりました。

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《半喪の嘆き》2012/遺髪とサインチャーム付きphoto作品
シートのみ・限定30部(額ありのご相談も承ります)
シートの上に、サイン&限定No.を書いたメタルチャームと
絹色をリボンで綴じた遺髪が貼付されています


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《薔薇の諦念》2012/遺髪とサインチャーム付きphoto作品
シートのみ・限定30部(額ありのご相談も承ります)
シートの上に、サイン&限定No.を書いたメタルチャームと
絹色をリボンで綴じた遺髪が貼付されています






通販のお問い合わせも頂いており感謝です。
ミストレス・ノール(noohl@tokyo.email.jp)もしくは画廊(03-6322-9032)までお気軽にお問い合わせくださいませ♪



皆様のお越しをお待ちしております!
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DATE: 2012/05/06(日)   CATEGORY: 展覧会
半喪と沈黙と祈り
ミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》三日目が無事終了いたしました。

★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》

2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ


遠雷にエリオットの荒地を重ねて文学的ムードに浸ったのも束の間、此処極東の地では豪雨を降らせる雷とあいなり、お足元のお悪い中をお越し下さいました皆々さまに心より御礼申しあげます。


本日も関西方面から、昨年に引き続きご出張の合間をぬってお越し下さったご婦人、ご高名なる作家さま、敬愛する聖職者の先生、折々に拙展示にお越し下さる紳士淑女乙女の皆様、ザロフの常連さま、ヴリル協會さまのご紹介記事でお出まし下さったイケメン様など多彩なお客様に加え、バレエ検索で拙個展を見つけお越し下さった可憐なるバレリーナの少女に感激し、希有なる歌声と繊細な美意識持つ大好きなK女史とはお久しぶりにじっくりと会話を楽しみました。



毎回感謝の念と共に痛感致しますが、この度の展示でもつくづく思い至ったのは、本当に、お客様に恵まれ、助けられているということ。

陳列された作品群をご高覧になるお客様の後ろ姿ほど美しいものがあるだろうか……といつも思います。

小雨の昼下がり、あるいは雹にかわった禍々しい明るさ持つ室内、あるいは月明かり美しい静やかなひととき、作品群を背景にそこに佇む情趣は聖堂に満ちる清廉なる空気そのものです。



作品の究極の理想は無名の印象。

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……森奥、朽ちた館にふと迷い込む。湿った廊下の先、ひとつの扉を開けるとそこには、誰が蒐集したとも知れないオブジェ・コレクションがうっすらと埃を被って陳列されていた。世界の淵でひっそりと刻んできた時が積もり、また、喪われた時がそのまま凍結された予感にも満ちている。……いったい、誰がどんな目的で蒐集したオブジェなのだろう……

そこには、オブジェ群の時だけが流れている……
作り手の名前や痕跡はいっさい残っていない……



そのような展覧会を理想としているせいでしょうか。

展覧会の主役は、作品とそれをご鑑賞されるお客様の機微以外存在しないと思っています。作品を制作した作家はあくまでも脇役。極論すれば、作家不在がもっとも美しい形態。
展覧会はけっして、(生々しい意味での)作家自身の売り込みの場、自己紹介の場ではありません。そのような野心溢れる作家さまの存在は否定しませんが、私の美意識とは著しく異なります。

展覧会会場は本来神聖なる場所……。(言うまでもありませんが、わたくしの作品が神聖という意味ではありません)

たましいを削りながら孤独のうちに制作した祈りと、ご自身の貴重なお時間を削って訪れて下さったお客様の無償の愛が出会う極めて清らかな場所です。
作家の在廊の役割がたったひとつあるとすれば、その出会いの水面にすっと明かりが差し、たましいの震えたるわずかなゆらぎが生まれることを願ってじっと待つこと。

沈黙こそが作家の祈りであるべきです。
沈黙は、作品とお客様との間に生まれつつある機微への敬意の証です。
その沈黙は、深い彩りに満ち、どのような言葉よりも能弁であるはずです。豪奢な精神性、豊穣なる退廃も全て沈黙の中にあってこそです。

そのような神聖な場に、現実的で生々しい、人間界の些末が入る隙間は微塵もありません。



お客様の美しく玲瓏なる後ろ姿に今日も励まされ、美に対するささやかなる矜恃をこの度も再確認致しました。
お越し下さいました皆々様に改めて心より御礼申しあげます。



とはいえ、お客様の後ろ姿をじーーーっと凝視したり、むすーーーっと沈黙し続けたりはしませんのでどうかご安心を! 

明日も皆様のお越しをお待ちしております♪




   「わたしは静かに神を待つ」
           ……詩篇第62編
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DATE: 2012/05/06(日)   CATEGORY: 展覧会
半喪の日々
ミストレス・ノール Mourning Objet Collection《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》二日目が無事終了いたしました。

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展示風景

★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》

2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ


お越し下さいました皆々様にこころより御礼申しあげます。

遠くは関西方面から、敬愛する作家さまや以前から折々にお気に留めて下さっている可憐な乙女、淑女の皆様が貴重なお時間をさいて訪れて下さいました。

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半喪色の空間に佇む半喪色のドレス麗しき画家・金田アツ子さま

半喪に満ちた小部屋を思い思いに堪能して下さり、じっくりと時間をかけてご高覧頂くご様子を拝見できることは何よりも嬉しいことです。制作は孤独な作業なので尚、皆様の率直なご感想は大変励みになります。その上、乙女・淑女の皆々様に拙作をお迎え頂き、これ以上の歓びはございません。

こころより御礼を申しあげたいと存じます。

今回の展示は、作品展としては初めての個展となります。(昨年6月のZaroffでの個展は装身具と紙製品を中心にした小間物店がコンセプトでした)

長い時間をかけて企画をあたため、バレエとブリュージュへの敬愛、憧憬を綴っております。ぜひ半喪の世界を覗きにいらして下さいませ。お待ちしております♪


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DATE: 2012/04/20(金)   CATEGORY: 展覧会
ミストレス・ノール個展
★ミストレス・ノール Mourning Objet Collection★
《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》


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2012.5.4〜5.14 *水曜日定休
12時〜20時
初台・画廊 珈琲 ザロフ

長きに渡り敬愛してきたバレエへの追憶や夢想を閉じ込めた
モーニング・オブジェのコレクション展です
(Mourning/モーニングは「喪」「哀悼」の意)
新作約20点、旧作5点を出品します

[ミストレス・ノール在廊日]
全日・終日在廊いたします


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DATE: 2012/04/20(金)   CATEGORY: 随想録
桐の花とカステラと半喪
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写真作品《霧雨の加護》2012


 拙個展《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》まであと二週間となりました。

 今回は、ベルギーの詩人ジョルジュ・ローデンバックの小説『死都ブリュージュ』から夢想したバレエへのオマージュをオブジェや写真作品に閉じ込めた、新作約20点と旧作5点ほどの展示になります。ただいまブリュージュの灰色、繊細優美な半喪の色と向き合いつつ、繊細優美とはかけ離れた姿で最後の追い込みに邁進しております。


 温暖化の影響か、昨今は季節から季節へうつろう時期が飛ぶように過ぎ去ってゆきます。ちょうどこれからむかえる晩春から初夏にかけての清廉なころは、一年の中でも格別に大好きな季節です。北原白秋の歌集『桐の花』の一節を清々しい空気とともに鮮やかに思い出します。


桐の花とカステラの時季となつた。私は何時も桐の花が咲くと冷めたい吹笛(フルート)の哀音を思ひ出す。五月がきて東京の西洋料理店(レストラント)の階上にさはやかな夏帽子の薄青い麦稈のにほひが染みわたるころになると、妙にカステラが粉つぽく見えてくる。さうして若い客人のまへに食卓の上の薄いフラスコの水にちらつく桐の花の淡紫色とその曖昧のある新しい黄色さとがよく調和して、晩春と初夏とのやはらかい気息のアレンヂメントをしみじみと感ぜしめる。私にはそのばさばさしてどこか手さはりの澁いカステラがかかる場合何より好ましく味はれるのである。粉つぽい新しさ、タツチのフレツシユな印象、実際触つて見ても懐かしいではないか。

            ......北原白秋『桐の花』アルス刊(昭和21年)より抜粋
               *一部、正字部分がありますが新字のままとしています



 バレエ・リュスでニジンスキーが振り付け、当時物議をかもした『牧神の午後』、ドビュッシーによる音楽の、フルートの倦怠を予感させる時季でもあります。


 北原白秋の文はこの後、短歌の形式や哀感に触れてこう続きます。

併し私はその完成された形の放つ深い悲哀を知つてゐる。実際完成されたものほどかなしいものはあるまい。四十過ぎた世帯くづしの仲居が時折わかい半玉のやうなデリケエトな目つきするほどさびしく見られるものはない。わかい人のこころはもつと複雑かぎりなき未成の音楽に憧がれてゐる。マネにゆき、ドガにゆき、ゴオガンにゆき、アンドレエエフにゆき、シユトラウス、ボオドレエル、ロオデンバッハの感覚と形式にゆく。

 ……「ロオデンハッハ」とは『死都ブリュージュ』の作者ローデンバックのこと・・・桐の花の季節、半喪の展覧会を催す身にとっては嬉しい符合でした。


 今回の展示は、数年前に書いたバレエ台本《死都ブリュージュ、半喪のパ・ド・ドゥ》を発展させたものです。

 長きに渡り敬愛し、鑑賞してきたバレエの舞台、モダンよりもロマンティックやクラシックを好む者にとっては、男性舞踊手の活躍が身体の衰えとともに変遷してゆく様子を寂しさを持って拝見してまいりました。 
 確かに、エレガントな跳躍やムーヴマンは見る者を幻想の世界にいざないます。しかし、身体の衰えに反比例するように充実してゆく深い、そして翳りのある精神性ほど、男性舞踊手を内側からしっとりと輝かせるものはありません。
 残念ながら現在、その魅力に焦点をあてた全幕物のバレエはほとんどありません。ジョン・クランコ振付作品『オネーギン』が唯一ではないでしょうか。2005年に拝見したルグリ氏のオネーギン(シュツットガルト・バレエ団来日公演)はそれはそれは素晴らしいものでした。若い男性舞踊手では決して表現しえない、複雑な綾織り物のような人物造形でした。

 『オネーギン』の舞台を拝見しながらふと、『死都ブリュージュ』のことを考えていました。これこそ壮年のダンスール・ノーブルにぴったりな物語ではないかしら……と。オデット/オディールのように、外見上はうりふたつの、しかし内面は正反対の二人の女性(亡き妻/踊り子)が登場する物語の構造もまさにバレエの常套句。

 バレエ愛好が高じ、妄想が膨らみ、バレエ台本《死都ブリュージュ、半喪のパ・ド・ドゥ〜プロローグ付き全三幕》を書き、2010年ヴァニラ画廊HP内『ヴァニラ画報』に寄稿致しました。併せて、ブリュージュの物語に寄せたオブジェ作品《皮膚と遺髪のネック・ブローチI 〜 夜の喪章》も画廊内に常設展示、今回はこの旧作も出品致します。恐れ多くもキャスティングまでしてみました♪


 桐の花とカステラの時季、『死都ブリュージュ』から夢想したバレエの世界をぜひご堪能にいらしてくださいませ。舞台は一夜のまぼろし、その儚いまでの無償の芸術性への敬意と賛辞を少しでも感じて頂けましたら幸いです。
 ブリュージュの灰色は長々と投じられたカトリシスムの影の色……影と半喪の静謐なる祈りの世界が底流にあります。

 かはたれのロウデンバツハ芥子の花ほのかに過ぎし夏はなつかし 北原白秋

 そして黒色すみれさまの新作CD『すみれ詩手帖』も北原白秋の詩に彩られていらっしゃいますね。「John, John, John〜♪ Tonka John♪」と一緒に唄いながら制作中です♪

 

 皆様のお越しをこころよりお待ちいたしております。
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DATE: 2012/03/31(土)   CATEGORY: information
花物語展
福岡のギャラリー亞廊さんで開催中の
〜吉屋信子《花物語》に寄せて〜
に参加しております
*終了しました*

オブジェ作品《夜のヴェール》《サッフォ頌歌》
ポストカード10種を出品いたします♪

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「心の花」に寄す 《夜のヴェール》2011



吉屋信子《花物語》に寄せて

2012年3月31日(土)〜4月15日(日)
営業日:金土日月の週4日
金土日:13〜19時/月:13〜17時

会場:ギャラリィ亞廊
〒810-0014 福岡市中央区平尾1-4-7 土橋ビル307
tel&fax:092-523-7736
mail:info@gallery-arou.com

[出品作家]
安達加工所
金田アツ子
かわい金魚
黒木こずゑ
江津匡士
Sacherie(さち)
咲野めえこ
野村直子
深瀬優子
ミストレス・ノール
三津井ちるこ
横井まい子


お近くにお住まいの方々
会期中幸運にも福岡にいらっしゃる方々
ぜひお立ち寄り下さいませ♪
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DATE: 2012/03/27(火)   CATEGORY: 随想録
大斎節の香りの日々
 先週の雨曇りの日曜日、厳かな大斎節主日の礼拝に参列した後、セラフィム様主催の「テレーズのちいさなお茶会」に画家の安蘭さまとともに参加してまいりました。

 聖トーマス教会のマタイ受難曲に多くのことを教えて頂き、大斎節(受難節)の色合いがこれまでとはまるで違ったものになりました。
 祈りを捧げる姿には無条件の美しさがあります。跪く姿は美の原点です。
 祈りは沈黙であり、ピアニッシモの囁きです。声高な、長調の美ではありません。

 お茶会の会場となったピアニスト久保田恵子さまのご邸宅、silent music様はまさに、沈黙の美、ピアニッシモの囁きで満たされた希有なる場所、久保田さまの奏でる慈愛に満ちた静謐なるピアノの音色そのままの空間です。

 真っ白な梅の花びら舞うマリア様のお庭を望みつつ美味なるハーブティを頂き、アロマセラピストの安西清香さまご指導の元、エッセンシャルオイルを使用した調香を体験いたしました。

 「キリストの瞳」という名を持つ植物「クラリセージ」の香りに魅せられました。葉とお花の尖端から抽出された香料は導師のような落ち着きと慈愛に満ちた芳香。
 クラリセージをベースに、ローズとゼラニウム、ホーリーフを調合、大斎節にふさわしい、イエス様の涙を集めた香りが仕上がりました。「パッション(受難)」と名づけ、孤高のマタイ受難曲を聴きながら、受難のひとしずくを身につけ悦に入る日々です♪

 帰路、昭和の香り漂うパン屋さんの喫茶室に安蘭さまと共に立ち寄ったところ、テレーズのお茶会・夜の部に向かわれる黒色すみれのSachiさまとバニラ様に遭遇♪ 嬉しきひとときでございました。


 風の乗ってやってきた杉花粉と格闘しつつ受難を想い、ブリュージュを想い、小部屋でひっそり制作に勤しむ日々です。
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DATE: 2012/03/16(金)   CATEGORY: 随想録
失われた時を追憶する哀感
紙魚1

 失われた時を追憶する哀感……それを閉じ込めたオブジェを「モーニング・オブジェ」と名づけてみました♪(モーニングは「喪」「哀悼」の意)

 わたくしたちは現在を生きていますが、いまこの瞬間にも砂粒のように時は流れ落ち、砂時計の硝子室に砂が降り積もるように過去は堆積され、保存されています。

 ……この、過去という存在がどこかにひっそりと息づいている情趣、そしてそれを追憶するごとに玲瓏を極めてゆく失われし様々……この哀感への執着の原点は、幼き頃に出会った煉瓦色の洋館にあります。

 あのころから、何一つ、変わっていない……つまるところわたくしの一生は、あの館の周囲を巡ることしかできないのかもしれません。悲哀なのは、そんな状況が自分の理想そのものであること……(汗) ある意味、夢を叶えたのかしら・・・?

 追憶、喪、哀悼に魅せられる理由をエッセイに仕立て、以前、或る雑誌に寄稿しました。5月の個展の題材『死都ブリュージュ』にも少し触れています。


「其処には、ひとの痕跡や、ひとが去った後の情緒をうっすらと留めた空気感が、モノや風景とともにに熟成されて、こんこんと眠りつづけている。懐かしくも、どこかよそよそしい過去の幻影が、時折、やさしい日が射し込みつつも、悲しみと深憂に満ちた見捨てられた庭園のように、眠りつづけている。」


 よろしければ、ご一読下さいませ♪
 →「やさしくきよらかな、一枚のうすき墓標」(2006)
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DATE: 2012/03/12(月)   CATEGORY: information
アンソロジー《菫色の文法》等々
ジュンク堂書店・吉祥寺店さまにて
当方の出版物と商品をお取り扱い頂くこととなりました♪


Antho_1.jpg
『アンソロジー《菫色の文法》vol.1』


[販売内容]
『アンソロジー《菫色の文法》vol.1』 限定450部・税込6,825円
  →詳細とお取り扱い店はこちら

『愛書家のためのティタイム・キャスケット』3種
 読書と喫茶のひとときをやさしく彩るハンカチてぬぐいやメモ帳、
 ブックマークのセットです
 オリジナル・キャスケット入り
 ・アリス 税込3,360円
 ・ダロウェイ夫人 税込3,360円
 ・チェシャ猫 税込2,940円
 *国立・セラフィムさまでもお取り扱い中です


お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さいませ
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DATE: 2012/03/01(木)   CATEGORY: 随想録
マタイ受難曲
 東京オペラシティにて、聖トーマス教会合唱団&ゲヴァントハウス管弦楽団によるバッハ《マタイ受難曲》全曲を聴いてまいりました。休憩含め約3時間。

 《マタイ受難曲》はこの世で最も愛する曲です。レコードやCDで古い録音から現代のものまで幾つか聴いて参りましたが、思い入れが強い分、自分にとって「完璧な演奏」には出会えずにおりました。

 録音ではフィリップ・ヘレヴェッヘ氏指揮(ボストリッジさんが福音史家、アルトのパートがカウンターテナーのアンドレアス・ショル氏)のものが一番好みですが、テンポが速いのと、青年イエスが脂ぎったバスで歌われることがどうしても肌に合わず、いまだ出会えぬ奇跡を夢見る日々でございました。


 今回の《マタイ受難曲》、私にとって「完璧な演奏」でした。

 古い録音のようにゆったりと始まった演奏、澄んだ合唱は少年と青年による男声のみ、アルトのパートは20歳の内気なカウンターテナー、そしてイエスは清々しいバリトン! ソブラノも禁欲的で素晴らしく、一点の曇りもない、奇跡の《マタイ受難曲》でした。

 最も好きなアリア「憐れみ給え、我が神よ」。切々と繊細に、内気に紡がれる音楽への感動を記す術はありません。

 音楽鑑賞という体験を越え、聖書の言葉、受難の道行きそのものに包まれているようでした。
 キリスト者として、信仰とは何かを正直つかめないでいましたが、生まれて初めて、信仰という扉に触れた瞬間でもありました。

 この日最も素晴らしかった曲は、イエスの死の直後に歌われる合唱。


  いつの日かわたしが逝かねばならぬとき、
  わたしから離れないでください、
  わたしが死の苦しみに耐えねばならぬとき、
  どうかあなたが現れてくださるように。
  わたしの心に
  大きな不安があるとき、
  どうかわたしをその恐怖から引き離してください
  あなたの不安と苦痛の力によって。



 このピアニッシモの憂愁を纏って残りの人生を送ることのできる幸福……

 素晴らしいご演奏にこころからの敬意と感謝を……



  悔い改めの念が
  罪の心を千々にさいなむ、
    この涙の滴が
    好ましい香水となって
    イエスよ、あなたに注がれますように


 
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DATE: 2012/02/23(木)   CATEGORY: 随想録
Ash Wednesday
 2月22日はAsh Wednesday(灰の水曜日)でした。
 この日から、慎しみの菫色の季節、大斎節がはじまります。
 灰の水曜日の礼拝では、一年間手元で大切にしてきた棕櫚の十字架を燃やし、司祭がその灰で信徒の額に十字架を描きながら次の文言を唱えます。

 「あなたは塵であるから、塵に返らねばならないことを覚えなさい」

これは、旧約聖書の次の一節にちなんだ言葉です。

 「お前は顔に汗を流してパンを得る。
  土に返るときまで。
  お前がそこから取られた土に。
  塵にすぎないお前は塵に返る。」
          .....創世記・第3章19節/新共同訳

なぜ「塵にすぎない」かは、ひとつ前の章に記述されています。

 「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、
  その鼻に命の息を吹き入れられた。
  人はこうして生きる者となった。」
          .....創世記・第2章7節/新共同訳


 灰の水曜日、という言葉じたい、字面も響きも大変美しく、その美しさを体現するこの日の礼拝が殊の外大好きです。司祭の式服や教会内の布製の備品も菫色になる日です。


 敬愛するポッサムおじさんこと、T.S.エリオットの詩にも《Ash-Wednesday(聖灰水曜日)》と題された作品があります。

 「すみれとすみれのあいだを歩んだひと
  さまざまな緑のさまざまな色あいの
  あいだを
  白と青の衣を、御母マリアの色を着て歩んだひと
  永遠の悲しみを知らずして知りつつ
  ささやかな事ごとを語らいしひと
  人びと歩むときその者たちのあいだを動いたひと
  噴水の力をつよめ泉の水をあらたにしたひと

  飛燕草の青を、御母マリアの青を着て
  乾いた岩をひやし砂をかためたひと、
  忘レタマウナ」

        .....「聖灰水曜日」高松雄一訳より抜粋
          (『エリオット選集』第四巻収録・彌生書房・昭和50年)


 五月の個展《バレエ詩集〜半喪のパ・ド・ドゥ〜》では、ローデンバック『死都ブリュージュ』から夢想したバレエを中心に作品を制作、発表します。
 灰色に満ちた、永遠の半喪期たるブリュージュ……大斎節の今、灰色という色彩に祈りを込めて、制作に打ち込みたいと存じます♪



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