Club Noohl
プライベート・プレス──書物と紙片にまつわるエトセトラ
DATE: 2007/10/10(水)   CATEGORY: 放課後の教室
耳飾り
休日に買ったお揃いの耳飾りを、教室の隅でそっと身につける。くすんだ硝子玉は霧のような水色で、制服に不似合いの様を可笑しく思いながら、親友の証を確かめるように、無邪気に耳元を揺らして・・・

 潮風のささやきふたりの頬過ぎて硝子の玉を白く濁らす
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DATE: 2007/10/02(火)   CATEGORY: 放課後の教室
遠き花びら
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美術室でデッサンの日課を終えて教室へ戻ると、同じ場所にいつもひとつの人影が夕日を受けて佇んでいた。あまり感傷的でない素朴な卒業式の、最後のお別れの教室で、大人びた色目の鬱金香を渡してきたその人を、それから十数年の歳月が流れたある日、ある土地の本屋で偶然みかけた。巻き毛の黒髪美しいその人に、声をかけることができず立ち去ったわたしは、何に対して、後ろめたさを感じていたのだろう・・・

 胸元に縫われたるままの花びらのみずみずしさを殺したくとも

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DATE: 2006/03/03(金)   CATEGORY: 放課後の教室
返事
まつすぐのこころと同じ黒き髮みつめることさへ許されぬほど

今日もまた言葉を交すこともなく然れどリボンは鞄の端に


屋根裏でみつけた、帽子入れに似た籐製の丸いバスケット。開けると中からは、花びらのような端切れの数々があふれ、その昔、叔母が洋裁をしていた頃に思いを馳せるような、古き匂が籠り……。緑の花模様の端切れにつたない針を運び、大好きな友達とお揃いの、この世に一組しかない髪留めリボンの片方を、次の日そっと机の中へ……。
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DATE: 2006/03/02(木)   CATEGORY: 放課後の教室
放課後の教室
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  女学校の想い出に寄せて……
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