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プライベート・プレス──書物と紙片にまつわるエトセトラ
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《皮膚と遺髪のネック・ブローチI  夜の喪章》
ヴァニラ画廊・ガラスケース内に新作ブローチ(服飾オブジェ作品)展示中です!
***展示は終了しました***

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題して、《皮膚と遺髪のネック・ブローチI 夜の喪章》。『死都ブリュージュ』を追憶するブローチ・シリーズです。極薄の英国製ナチュラル・ラテックス・ラバー素材を絹糸で手縫いした、首のコルセットになります♪

ドレープと少々の縁飾りを付けたラバー見本も画廊に預けてあります。ラバーの香りや質感を体験されたい方はスタッフにお声をかけてくださいませ。

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《皮膚と遺髪のネック・ブローチI ? 夜の喪章》
身につけるとこんな感じ。リボンで頸が締まります♪


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《皮膚と遺髪のネック・ブローチI  夜の喪章》部分/クリーム色の素材がラバーです
台座には薔薇とライラックの花(生花・押し花・ドライフラワー)を樹脂で閉じ込めて埋葬
『死都ブリュージュ』の原書の一節も墓碑銘のごとく綴りました



ナチュラル・ラテックス・ラバーは、合成ゴムではなく天然素材(天然ゴム)です。おろしたての生地はチョコレートのような甘い香りがします。とても繊細な素材なので、その香りは空気に触れるとともにだんだんと消えてゆきます。殊に煙草の匂いは厳禁! 匂いがラバーに移ったら最後、どんなに洗っても取れません。。。

ラバーといいますとボンデージやエロスの文脈で語られることが多く、光沢のある黒色、ボディ・コンシャスな衣装が美学として見慣れているかもしれません。

わたしはというと、飴色のラバー(上写真)を知って以来その道一辺倒、エロスではなく、SKIN TWO(第二の皮膚)と呼ばれる繊細な着心地や、素材そのものへのフェティシズム、その先にゆらめくタナトスの世界(記憶を留めたまま脱ぎ捨てられ朽ちてゆく皮膚の象徴)の方にどうやら興味がむかっているようです。

ですから、ラバーも磨かずパウダー感のある状態が好きです(皮膚っぽい)。今回もあえて光沢のない裏側を表面として使用しました。

美に全てを捧げるためには、美しく朽ちてゆかねばなりません!

ラバー衣服の制作は通常接着剤を使用し、ミシンがけや手縫い(=針を通す)は破損の原因になるので厳禁です。が、なんとしても朽ちてゆかねばならないので、細絹糸でひと針ひと針手縫いしています。

嗚呼、針を刺されるラバー素材のなんという傷ましさ・・・布よりも摩擦があるせいで、縫い糸も少しずつ傷んでゆきます。ちいさなてのひらの中で、ちいさな悲鳴のように甘い香りをかすかにはなちながら疵をおってゆく姿は美、以外、なんと呼べば良いのでしょうかっ!

と、ひとりごちながら制作に勤しみました次第です。

要するに、あれこれ並べ立てておりますけれども、あたし変態? の一言に尽きるかもしれません。


美にはじめて見入られた記憶のはじまりは鮮明です。小学校の帰り道にあった朽ちた煉瓦色の洋館。鬱蒼とした葉々をゆらしてひっそりと建っていました。どうやら、わたしの全ては其処に保存されているらしいのです。そこを延々、めぐり続ける人生なのかもしれません。その洋館に似た何か、を探し続けているのでしょう。好きなものは全て、そこに似合うものばかりです。そして死がほの匂う『死都ブリュージュ』の静寂も其処に納められていたものでした。

(ついでに言ってしまえば、ミストレス・ノールという筆名も決してSMの女王様になりたいわけでも気取りたいわけでもなく、其処の孤独な女主人という設定、ドクター・フーとかミスター・ビーンみたいにお話の中の存在になりたいゆえなのですがー、・・・あ、でも、エミリー・ハワード的には気取っています♪)

それはさておき、

創作活動も其処をめぐる日々。わたしが新しく何かを作った、というよりも、クローゼットの引き出しに長い間人々から忘れ去られ眠り続けていた品々をみつけたのでそっと此処に持ってきました、という感覚に近いのです。

《皮膚と遺髪のネック・ブローチI  夜の喪章》、長い時を経ていまここに届く──そんな無名の印象を与えることができれば・・・と願っております。


★他ブローチ作品(アリスの遺髪シリーズ/ダロウェイ夫人シリーズ)も常設展示販売中です!
 →モーニング・キャスケット・シリーズ


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併せてヴァニラ画廊に展示中の《夜の喪章》小冊子
(糸かがり手製本・背に絹糸タッセル付き)
ネック・ブローチ《夜の喪章》の装着写真や台座に綴った引用文などを収録
作品とともにご高覧頂ければ幸いです

表紙には古いペーパーパレットの紙を使用しています
敬愛する芸術家K女史の、お祖父様(画家)が遺したお品を譲り受けました♪



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《夜の喪章》小冊子本文(一部)
 
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